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Finale難民のためのSibelius・Dorico徹底比較【楽譜制作ソフト】

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©︎makemusic

Finaleの終焉により、多くの作曲家や編曲家が次のソフト選びを迫られています。特に注目されるのがSibeliusDoricoという2つの主要な記譜ソフトです。それぞれの特徴や価格、歴史を比較し、Finaleユーザーにとって最適な選択肢を考えましょう。

SibeliusとDoricoの歴史

  • Sibeliusは1993年にフィンランドのシベリウス兄弟によって開発され、後にAvid Technologyが買収。特にポップスや映像音楽の分野で広く使われています。Pro Toolsとの連携がSibeliusの強みですが、これはPro Toolsを使用するポップス系作曲家や映像音楽の作家に限定的なメリットです。また、Pro Tools自体もサブスクリプション制であるため、安定した仕事量と売り上げがないと費用対効果が難しいです。昔販売していた永続ライセンス版もありますが、小売店の在庫にある分のみの販売でほぼ売り切れ状態です。


  • Doricoは2016年にSteinbergによって開発されました。かつてSibeliusの開発者だったチームが参加しており、Doricoは現代音楽やクラシック音楽の複雑なスコア作成に特化しています。Steinbergはヤマハの子会社であり、CubaseやNuendoといったDAW製品で高い評価を得ている企業です。2024年現在、Doricoはバージョン5であり、最新のアップデート(5.1.60)によりさらなる性能向上が図られています。


 

価格とバージョンの違い(日本国内価格)

ソフトウェア バージョン 買い切り価格 サブスクリプション価格 主な機能
Dorico SE Entry-level Free - 基本的な記譜ツール、学生向け
Dorico Elements Mid-tier 13,200円(税込) - より多くの楽器、ダイナミクス、アーティキュレーション
Dorico Pro 5 Professional 66,000円(税込) - 高度な記譜、カスタムレイアウト、複雑なスコア作成
Sibelius First Free version Free Free 基本的な機能、趣味としての使用向け
Sibelius Mid-tier - 1,320円/月 または 13,200円/年(税込) 中級者向け、より多くの楽器やプレイバック機能
Sibelius Ultimate Professional - 2,640円/月 または 26,400円/年(税込) フル機能、プロ向けのスコア作成ツール、Pro Tools連携など

 

Pro Toolsとの連携(Sibeliusの強み)

Sibeliusは、Pro Toolsとの連携が最大の強みです。これにより、作曲から録音、編集、ミキシングまでを一貫して行うことができ、ポップスや映像音楽の制作に非常に役立ちます。しかし、Pro Toolsを使用しない場合、Sibeliusのこの利点は活かされません。さらに、Pro Toolsもサブスクリプション制であるため、ヒットチャート常連のポップス系作曲家や映像音楽の作家など、安定した仕事量がないとコストの負担が大きくなります。

 

機能面の比較

  • Doricoは、複雑なリズム、ポリリズム、ポリメーターなどの高度なスコア作成に強く、特に現代音楽やクラシック音楽の作曲家に最適です。グラフィックレイアウトの自由度が高く、オーケストラ作品や大規模な合奏作品にも対応できます。

  • Sibeliusは、直感的なインターフェースを持ち、特にポップスやシンプルな楽譜作成に適しています。初心者や中級者向けに設計されており、Pro Toolsとの連携を活かした制作が可能ですが、複雑な現代音楽の表現には限界があります。

Finaleユーザーにとっての選択肢

Finaleユーザーにとって、Doricoは高度な記譜や現代音楽の作曲に最適です。Finaleで行っていた細かいスコアの編集やレイアウトの自由度を重視するユーザーにとって、Doricoは理想的な代替ツールです。さらに、買い切り価格で提供されるため、長期的に見てコストパフォーマンスが高いです。

一方、Sibeliusは、Pro Toolsを活用できる商業音楽制作において有利ですが、Pro Toolsを使わないユーザーにはコスト面でのメリットが薄くなります。

 

Finaleからのクロスグレードプラン(Dorico)

Doricoは、Finaleユーザー向けのクロスグレードプランを提供しており、特別な割引価格でDorico Pro 5に移行することが可能です。さらに、Steinbergの公式サイトから購入すると、Finaleの最新バージョンも無料で提供されます。これにより、Finaleを使い続けながら、Doricoへの移行もスムーズに行えます。このプランは、Finaleユーザーが次世代の記譜ソフトに移行する際に、コスト面でも非常に魅力的です。

公式の案内によると、次のように説明されています:

「SteinbergのDorico Pro クロスグレードプランでは、Finaleユーザーに特別な割引価格で提供され、さらに最新のFinaleバージョンも無料で手に入る。これにより、Finaleユーザーが既存の環境を維持しつつ、Doricoに移行できる。」
引用元:Steinberg日本公式サイト

Finaleユーザーは、このクロスグレードプランを利用して、新たな音楽制作ツールに簡単に移行できるメリットを享受できます。Finale最新バージョンを持っていないFinaleユーザーは、Steinberg公式サイトから購入しましょう。(他の購入方法ではFinale最新版は付属しません)

 

個人的にはDorico一択

在学中はアカデミックプランがあるとはいえ、Sibeliusのサブスク代はコスパが悪いです。同じ理由で、私個人は仕事で必須の時にしか、ProToolsを契約しません。Finaleの最新版を使いつつ、Doricoを併用する予定です。
Sibelius出身の技術者がDoricoを作っているので、新しいソフトだからといって技術的な不安はありませんし。もしかすると、DoricoとCubaseの連携も出てくるかも…
Dorico、じっくり使っていきたいと思います。

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